【本日の研究】 『犬の力』 ドン・ウィンズロウ 著
・ 『犬の力』 ドン・ウィンズロウ
メキシコの麻薬撲滅に取り憑かれたDEAの捜査官アート・ケラー。叔父が築くラテンアメリカの麻薬カルテルの後継バレーラ兄弟。高級娼婦への道を歩む美貌の不良学生ノーラに、やがて無慈悲な殺し屋となるヘルズ・キッチン育ちの若者カラン。彼らが好むと好まざるとにかかわらず放り込まれるのは、30年に及ぶ壮絶な麻薬戦争。米国政府、麻薬カルテル、マフィアら様々な組織の思惑が交錯し、物語は疾走を始める―。
昨年の『このミステリーがすごい』での、海外部門で『ミレニアム』を抑えてNo.1に輝いたのがこの作品。
ドン・ウィンズロウといえば、同じく『このミス』で'95にランキング2位に入ったデビュー作『ストリート・キッズ』という作品があり、これは当ラボでも高い評価でした。
それがあった上に、なお『ミレニアム』越えという結果が、期待を高めていました。
で、読んでみたら、やはり面白かった。
翻訳の東江一紀さんがあとがきでも述べていますが、今回の作品は、壮大な「怒り」の作品でありました。
読ませ方がまた上手いんですよね~。
冒頭からかなり惹きこまれて、1,000ページ超を一気読みでした。
まぁ、ボクの一気読みなのでかなり時間はかかってしまいましたが^^
アメリカとメキシコを舞台にしたお話。
自分の中にある<メキシコ>と、ここで書かれている<メキシコ>にはかなり隔たりがありました。こんな世界だったんですね。
力がなければ殺されて。
力があっても殺されて。
そこには「故なく殺されるか」、「故あって殺されるか」の差だけしかない。
こんな世界に生まれたら、どうやって生きていけばいいのか、読んでてその「どうしようもなさ」に途方に暮れてしまいました。
そういう意味では、いつも言うボクの採点基準の中の【面白く読ませる】という基準点は高かったですが、心の奥底から感情が溢れ出す【じゅわ~っ】点は少なかったかな?
というわけで結果、当ラボの評価は★★☆
というところに収まりました。面白く読んだ割には低目の結果。
ちなみに、これも訳者の東江さんが述べられてますが、『犬の力』というタイトルに反して、この物語には犬は一匹も登場しないのでした。
今回の研究結果は、ロビタ2号のラボの<novel - '10>の方にUPしておきます。
それじゃあ、見に来てくれた方どうもありがとう!おやすみなさい!
o ̄_ ̄o)人 なますて~
by robita00 | 2010-02-17 19:08 | ┗ novel - '10