【本日の研究】 奥田 英朗 『 最悪 』

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本日の研材、

『最悪』   
   
   奥田 英朗






結構前に読み終わったものの、諸事情により発表が遅くなってしまいました。
『空中ブランコ』などでお馴染みの作者による、'99発表の作品。

小さな鉄工所を二人の従業員と細々と営む川谷信次郎、都心から離れた工場地帯の銀行窓口担当の藤崎みどり、定職に就かずただパチンコや盗んだトルエンを換金する毎日の野村和也。

3人に共通するのは、淀んだ空気のようにじんわりとまとわりつく不安感、狭い箱に押込められているような閉鎖感、どうしようもなく身動きの取れない気分の焦燥感。

それでもまだ、この時点ではなんとかやれていた。しかし、ゆっくりと加速していくように3人それぞれをとりまく状況は転がっていく。悪い方へと。
そして、その事態がどうしようもなくなってきた頃、3人は出会う。そしてさらに「最悪」の方向へと引き寄せられていく・・・。

得意先からの無理な注文、町工場から出る作業音に近くに建ったマンションからのクレーム、上ばかり見てる横柄なセクハラ上司、難癖ばかりつけてくる客、父親は措置入院して、母親は別の男と生活を始め、自分はといえば円盤が飛ぶような耳鳴りが続いている・・・。
これで出だし。ここからまだまだ災難は降りかかります。いいことがあれば、その倍は災厄が待っている。

氏の作品は、この後の作品である『邪魔』を読んでいました。そして、ボク的にはそちらの方が「やることなすことうまくいかない」っていうイヤ~なカンジ、やりきれなさが出てた気がします。読んでて胃が重くなりました。
先にそちらを読んでいたのでそこまではいきませんでしたが、今作もウチとしては合格点には達したでしょうかね、うん。


当ラボの研究結果は、ロビタ2号のラボの<'05 - novel>の方にUPしておきます。
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by robita00 | 2005-09-23 23:24 | ┗ novel - '05