本日の研究 【 バーバー吉野 】

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本日の研材、

・ 『バーバー吉野』
   '04日、監督: 荻上直子






やっと、今年1発目の作品…。

以前タワーレコードでCDを買った際DVD発売のチラシが入っていて、そのうちの1つがこの『バーバー吉野』。

「眉上でそろった前髪、奇妙なマッシュルームカットの”吉野ガリ”。男の子たちが全員、同じ髪型の町に、東京から茶髪のカッコイイ転校生がやって来て…。」という、このたった2行の紹介文句がボクの心を捉えました。

「とにかく、近いうちにコレを観て研究発表したいと思います。」…この台詞から4ヶ月近く経ってやっと実現。

この村には100年以上も昔から続く「伝統」がある。それは<山の日>に、山の神様(♀)へ豊作を祈願して、男の子だけで合唱をするということ。そして男の子は皆、”吉野ガリ”と呼ばれる髪形にしなければならないということ。

ある日その村の小学校に、東京から茶髪の男の子が転校してきた。当然”吉野ガリ”にすることを勧められるが嫌がり、逆に”吉野ガリ”のヘンテコさを指摘する彼。女の子に人気の上に、自分達の髪型を否定された、≪バーバー吉野≫の息子ケイタやその仲間達は気に食わない。

が、あることから彼を仲間に加えたケイタ達は、「オレ達だってカッコイイ髪形をしてみたい!」という想いから、意を決して行動に出ることに…


「その町の少年は皆、同じ髪型をしていた…」というサブタイトルが秀逸。単純だけどこれだけで惹きつけられます。

オペラの壮厳な調べで幕を開けたあと、ポリフォニック・スプリーのような出で立ちをした子供達が、山に向かってハレルヤを歌う。PFFの音楽賞を受賞した監督らしく、音楽にはこだわりを見せます。

”吉野ガリ”ってのはまぁ”おかっぱ”みたいなもんです。少年がみんなそうだとちょっとかわいい。村には「吉野ガリ人形」なんつーのもあって。こけしにカツラつけたみたいな。ケイタの父ちゃんまでもが”吉野ガリ”なのが笑えた。大人はいいっつーのに。

ケイタの母ちゃんが村でたった一軒の床屋をやっていて、これをもたいまさこさんが演じているんですが、まぁ主役は彼女ですよねー。
で、何故か母ちゃんは役場の放送係のようなものも務めていて、「良い子の皆さん、5時になりました。早くお家に帰りましょう」というお決まりの言葉と共に、「大事にしよう、町の自然と伝統。伝統って、あぁ素晴らしい…」等と、おしつけがましい放送をしてます。一種の洗脳ですかね。

監督の友人が、「校門の前に立って髪型をチェックしていたりする恐い床屋のおばちゃんがいて、だけど行くと駄菓子とかくれたんだよね」とか話していたそうで。そんな20年以上経っても思い出せる人っていいなぁ、という思いがこの作品を撮るきっかけだったそうです。
そういう恐くも温かいおばちゃん、まさにそういうおばちゃんになってると思います。もたいさん、ハマリ役でした。
もたいさんの「怒られた思い出も懐かしく思い出すってことは、そこには愛があったから」という、トークショーでの言葉も沁み入ります。

すごく今と掛け離れた町、っていうわけではなく、そこはかとなく感じさせるノスタルジックな雰囲気がとても気に入りました。ケケおじさん、こんな人どこの町にも一人はいましたよね?

クライマックスでのケイタの叫びは、子供の誰もが母親に対して抱く、矛盾した感情なんですよねー。とってもよく分かります…。

最後のおじいちゃんの言葉も好きです。

15日間という限られた時間で、かつ天候も悪かった為に、必ずしも監督の思ったようには行かなかったでしょうが、描きたかった世界というのはかなり出せたんじゃないでしょうか。
次回作、楽しみだなぁ。


うむ、今年は1発目から去年のトップを超える好評価!こういうの好きなの観ると、もっともっと観たくなるから、今年こそは「毎週1本!」のノルマ越え、果たせるかも。

今回の研究結果は、ロビタ3号のラボの<cinema - '05>の方にUPしておきます。
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by robita00 | 2005-02-02 21:16 | ┗ cinema - '05