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本日の研究 【ロビタ2号ラボの2004年を振りかえる】

今日は、≪ロビタ2号のラボ≫から、<novel - '04>について振りかえってみましょう。


ロビタ2号の研究室では、研究費の節約ということもあり、ある程度「良い」という評価を得たものにターゲットを絞っています。

同じラボでもロビタ1号では、もっとアバウトに研材を購入しているのに、その差は?その一番の理由は、CDと比べて小説は外した場合の時間の”ロス”が大きいからでしょうね。片や1時間弱、片や2、3週間ほどにもなる。まぁそれはボクが読むの遅いからですが。でも映画と比べてもロスが大きすぎ。
さらにCDは試聴も出来、それで全体を推し測るのは無理としてもある程度の方向性は察することが出来る。が、小説は…むつかしい。あらすじだけではちょっとむつかしい。

そういうこともあり、CDのようにはいきません。「ジャケ買い」など以ての外。慎重に選ばざるをえません。
なので小説については、年末に色んな所で企画される「○○○が選ぶ、2004のベスト!」見たいなものを参考にして、そこから当ラボ向きっぽいものを研材として選んでいます。

と、まぁ長々と前振りましたが、結局言いたいことは、

「だから、ウチでは1年遅れで読む作品ばかりなの」。

ってこと。

っつーことで、やはり今年の2号の研究室も、2003年以前の作品が目白押しなのでした。


んで。
ウチの2004年のNo.1は『クライマーズ・ハイ』でした。やはり'03発表作品だったりします。
ボクの知ってる叔母サン達の評価は今イチだったんですが、一人の息子の父親として、ボクは泣けました。それも2回読んで2回とも泣きました。まぁ、泣き虫なボクですので参考にはなりませんが。記者のパートと、父親のパート。どっちも好きでした。まぁリアルタイムであの事件を知らない若い人達にはまた捉えられ方も違ってくるのかもしれませんが。
先ほど言ったように、<時間のロス>というものに過敏な自分としては、2回読むことは稀であり、そういった点でも気に入った作品であるということが窺い知れます。

この作品は長編ですが、元々は名うての短編小説家。なんでもっと長編書いてくれないんだろう?まぁ氏の短編、好きな人多いですけどねー。ボクも好きですが。『第三の時効』収録の作品も幾つかランクインしてますし。
ただ、ここ何年も上下巻の長編読んでたら、そういうのでないとなんか物足らなくなってきちゃったんですよねー。それもどうかとは思うけど。高いし。

で、それに続くは'03からブーム終息の気配もない伊坂氏の『アヒルと鴨のコインロッカー』
独特の<伊坂ワールド>が世を席巻中。中毒性も高く、ボクもヤラレてます。小難しくなく読み易い文章に、小粋な台詞回し。ハマリ易く、抜け難い。
'04の氏の作品は他にも『チルドレン』、『グラスホッパー』等もありますが、未読。'05にはどちらかは読みたいですねー。
でも願わくば、1年に1冊くらいのペースで十分なので、このカンジをキープして欲しいなぁ。書きすぎて落ちて行っちゃう人、多いから…。

そして第3位は『プラネタリウムのふたご』
著者のいしいしんじ氏の作品は、もう1つ『麦ふみクーツェ』が当ラボにはあって。でも、ボクは『プラネタリウム~』の方が好きですねー。こっちの方が入り易い気がします。
この手の所謂”ファンタジー”が当ラボでランクインするのは珍しいです。購入すること自体が滅多にないし。しかしこれはウチの本棚から、一番最初に息子に読ませたい作品ですね、目下のところ。まぁまだまだ先の話ですが。

2004年は、横山氏、伊坂氏という、「今は外す気がしない」という作家さんも確立され、さらに山本一力氏や重松清氏や垣根涼介氏や舞城王太郎氏、という<当ラボにおける新人>作家さんも加わり、非常に充実の年となりました。今後もどんどん好きな作家が増え、さらにそこから<あなたに首ったけ!>というステージにまで到達する作家さんが出てくることを切に願う次第であります。おしまい。
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by robita00 | 2005-01-12 00:40 | ┗ novel - '04 | Comments(0)

本日の研究 【生首に聞いてみろ / 法月綸太郎】

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本日の研材。

『 生首に聞いてみろ / 法月綸太郎 』



満を持して贈る傑作長編ミステリ!
―首を切り取られた石膏像が、殺人を予告する―


著名な彫刻家、川島伊作が病死した。彼が倒れる直前に完成させた、娘の江知佳をモデルにした石膏像の首が切り取られ、持ち去られてしまう。悪質ないたずらなのか、それとも江知佳への殺人予告か。三転四転する謎に迫る名探偵・法月綸太郎の推理の行方は―!?幾重にも絡んだ悲劇の幕が、いま、開く!!

以上、<Jbook>さんから、本書の紹介文でした。


綾辻行人らと共に<新本格>を支えた一期生の一人、法月綸太郎。
その頃高校生だったボクは、綾辻と出会い、そして恋に落ちた…。っつーとアレですが、とにかくそれほど当時の自分に衝撃を与えました。「ミステリーって…素晴らしい!」。自分の感性とどんぴしゃ、リンクしてしまったんですね。
それ以降、歌野晶午、有栖川有栖、岡嶋二人、我孫子武丸、法月綸太郎、そして遡って島田荘司と、<新本格>系、<本格>系、を読み漁っていくこととなります。

ただ、ボクに衝撃を与えてくれたのは島田氏と、綾辻氏、歌野氏、有栖川氏くらいで、その他の作家さんにはさほど思い入れも抱けず、そのまま<新本格>を読むことも徐々に減って行きます。

しかし、心の奥底では「またあの衝撃を!」という想いはずっとあり、数年後、京極夏彦(『姑獲鳥の夏』は読後、床に叩きつけましたが)、森博嗣らの登場にはまた歓喜したのでありました。

と、今でこそ<広義>のミステリーを読む事の方が多くなりましたが、元来<狭義>のミステリー信奉者であるボクは、やはり今でも心の奥底では<本格>系の小説を心待ちにしていたりします。

そして、今年。
新本格一期生である、綾辻氏と法月氏の新作が上梓されました。
しかも、『このミステリーがすごい!』でも、綾辻氏は7位、法月氏に至っては堂々の1位でカムバックという快挙!本格系復活の年、となりました。
ならばどうしても一作は今年中に読みたい!と、遅読のワタクシ、必死でその時読んでいた『ハンニバル』を読みきり、ついに『生首に聞いてみろ』を購入しました。

法月氏の作品は、『密閉教室』、『誰彼(たそがれ)』、『頼子のために』と読んできましたが、実は自分的にはキてなくて。どうも主人公に気持ちが乗らないというか…。
しかし今回は『このミス』でも1位奪取してるし、期待は高まる!

で、当ラボの結果はというと…長々と前振った割には、自分的には今イチだったわけで。
今回も主人公は探偵 法月綸太郎なんですが、やっぱり気持ちが入らなかった…。

何故か氏の作品を読む時は、ミステリーの悪いトコばかりが目についてしまう。トリックを重視するあまり話が薄っぺらくなってしまう点、少し現実離れしてしまう点、そして主人公の設定。
まぁ、好きな作家さんの場合だとそれが逆にイイ方向に向かったりするので、これは単純にボクの感性と、氏の感性とが合わないというだけの話だと思いますが。実際、<週間文春ミステリーベスト10>でも2位であるわけで、「好きだ!」という方は沢山いらっしゃいますし、評価も高いので、気になった方は是非お手に取ってみてください。。
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by robita00 | 2004-12-30 17:26 | ┗ novel - '04 | Comments(0)

本日の研究 【煙か土か食い物 / 舞城王太郎】

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本日の研材。

『煙か土か食い物』 舞城 王太郎 著。



アメリカ/サンディエゴ/俺の働くERに凶報が届く。
連続主婦殴打生き埋め事件。被害者は俺のおふくろ。

ヘイヘイヘイ、復讐は俺に任せろマザファッカー!

腕聴きの救命外科医・奈津川四郎が故郷・福井の地に降り立った瞬間、血と暴力の神話が渦巻く凄絶な血族物語が幕を開ける。


というのが本書の紹介文。

本書は講談社が主催する、枚数制限無し(350枚以上)、賞金無しのミステリー系新人賞の【メフィスト賞】第19回受賞作。
ちなみに第1回受賞作はボクも大好きな『すべてがFになる / 森 博嗣』。その後も殊能将之、古処誠二を輩出するなど、新人の登竜門としては有名どころですねー。

さて、この作品。
巷では、ってもう3年前の作品ですが、”ラップ”や”パンク”に準えられることもあり。確かに。文体は改行が少なく会話もそのままベタ打ちでラップ調だし、台詞はパンキッシュ。
なんだかヘンテコな絵もいきなり出てくるし。

”本格系”ちっくにパズルも密室も暗号もあるし、実際名探偵も出てきますが、なんだかおちょくってるような…。謎解きも「ふふふ、なんだそりゃ」ってカンジで微苦笑してしまいます。主人公の四郎のカタカナ英語もそのおちょくり度合いを増長させてます。

親父の丸雄と、一郎、二郎、三郎、四郎の昔話が好きです。まぁほとんど丸雄と二郎のお話ですが。すさまじい、親子関係…。

で、結果はと申しますと…好き!ボクは充分惹きつけられました。
処女作でこれ。いいぞ、いいぞ。今後もみつければ追っかけて行く予定。
「チャッチャッチャッチャッ、パンッ、OK、はい次!」

当ラボの研究結果は、ロビタ2号のラボの<'04 - novel>の方にUPしておきます。
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by robita00 | 2004-12-03 22:10 | ┗ novel - '04 | Comments(0)

本日の研究 【天国への階段】

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<novel>

本日の研材。

『天国への階段』 白川 道 著。


なかなか評価も高く、TV化される作品も多い著者による、2001年発表の作品。
これも映像化されたかと記憶しております。ちょっと定かではありませんが。

故郷の北海道を捨て会社社長にまで登りつめた男<柏木>と、ある事件により強行班から外れることを願い出たが、その時の犯人が殺されたことでまた第一線に戻ることを決意した刑事<桑田>の、2人の視点により進行するこの物語。

野望に燃えざるを得なかった柏木の悲哀、そしてそれが引き起こす悲劇の真相に、24年前の事件を引き摺ってきた桑田がどこまで迫ることが出来るのか。そして「傷ついた葦」とは一体何を示しているのか。
そこに関わる大事なキーは、その昔の事件の犯人<及川>の遺書と、本橋一馬と名乗る青年です。

他の人のレビュー等をさらりと読むと、うーん、はっきり賛否両論分かれますねー。
んでウチではというと…否定派の人の言わんとするところも分かるし、自分自身でも及川の殺された理由などは「ん~…」ってカンジではありますが…良しとします。いや、実際好きな部類です、はい。

ただ惜しむらくは、自分にとってのピークは下巻の中ほどで来てしまったんですよね…。
そのあとがちょっとあった為に、若干ダレたかなぁ。そのピーク点は結構なところまでいっていただけに残念。
ボクはオムニバス作るときも、一番好きな曲はラストから2曲目に持ってくるんですよね。なもんで、も少し後ろ目にピークが来てたりなんかすれば、その余韻でそのままゴールできたんだけど…。

まぁそれでも当ラボでの評価は高めです。
氏の作品は他にも『流星たちの宴』が、<欲しい本帖>にエントリーしておりますので、古本屋で出会えることを楽しみにするとして。


当ラボの研究結果は、ロビタ2号のラボの<'04 - novel>の方にUPしておきます。
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by robita00 | 2004-11-25 23:56 | ┗ novel - '04 | Comments(0)

本日の研究 【奇術探偵 曾我佳城全集】

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本日の研究作品。

・ 【奇術探偵 曾我佳城全集】 泡坂 妻夫 著



「魔術城完成そして明かされる曾我佳城の秘密。伝説の女流奇術師・曾我佳城の凄艶に冴える奇跡的推理。奇術&トリックの名手が、20年の時をかけて結実させた珠玉短編の完全版。」って事なんですが…。

読み始めて一月足らず。いやぁ、頑張って半分までは読んだんですが、とうとう断念。読みきれませんでした。ちくしょー!

久しぶりでしたね、読みきれないの。『黒死館殺人事件』以来かなぁ。
もうちょっと頑張ろうと思ったんですが、なにせこのままじゃ今年これでおしまいってことになってしまいそうなので。断念して次の作品へ移る事にしました。

20年にも及ぶ著者の代表的な主人公の短編を集めたものなので、最初の方から好きで追っていたらまた全然違うんでしょうねー。
実際、『このミス』では2001年度の日本人作家部門第一位なわけですから。根強いファンにはたまらない一冊でしょう。


ちなみに次の研材は白川 道氏の『天国への階段』です。今度は読みきれるかなぁ。
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by robita00 | 2004-10-30 22:36 | ┗ novel - '04 | Comments(0)

本日の研究#1 【ポップ1280】

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本日の研材。

『ポップ1280』 ジム・トンプスン 著。



パルプ・ノワール史に屹立する弧峰
ポッツヴィル、人口(ポップ)1280。保安官ニック・コーリーは、心配事が多すぎて、食事も睡眠も満足に取れない。考えに考えた結果、自分にはどうすればいいか皆目見当がつかない、という結論を得た。口うるさい妻、うすばかのその弟、秘密の愛人、昔の婚約者、保安官選挙……だが目下の問題は、町の売春宿の悪党どもだ。何か思い切った手を打って、今の地位を安泰なものにしなければならない。なにしろ彼には、保安官と言う仕事しか出来ないのだから……
アメリカ南部の小さな町に爆発する、殺人と巧緻な罠の圧倒的ドラマ!キューブリックが、S・キングが敬愛するジム・トンプスンの代表作。饒舌な文体が暴走する、暗黒小説の伝説的作品、登場!

というのが、巻末にある本作品の紹介文です。

本作品は1964年に刊行されたものなんですが、なんていうんでしょう、文体に古臭さは微塵も感じません。まぁそれは訳者の方の技量もかなりあるのでしょうが。翻訳物は訳者によって印象が全然違ったりするので。

それにしても…わるいやっちゃなぁ、こいつは。
人口たった1280人の町の保安官が主人公。なんだか牧歌的な雰囲気も漂いますが、とんでもないです。
”悪い奴”が出てくる話はそれこそ山ほどありますが、”悪い奴”の一人称で語られる話、多分初めて読みました。その視点で話が進むので、自分の中の”暗部”へと触れて行くような感覚を覚えますねー。引き込まれるんだけど、なんだかヤーなカンジ…。

また、やること成すこと思い通りに行くんだなー、これが。自分がどう思われてるか、そしてそれをどう利用すれば自分の思う方向に持って行けるのか。どうして自分がそうするのかはわかっていないようですが、それがどういう結果に繋がるかははっきりと認識してやってますな。

とはいえ、ボクもそういう人間でないとも言いきれませんが。何といっても”暗黒”の部分にはなんだか惹かれるものがありますもんね。まぁあくまでも読み物としては、ですが。
本作は「勧善懲悪」という、当たり前の図式に当てはまらないだけに、好き嫌いは別れる所かもしれませんが、ボクは結構気に入りました。

それにただただ悪い奴の活躍譚、というわけでもなく聖書からの引用などもあるようで、そう言った面での見所もあります。


伝説のカルト作家と呼ばれ、死後10年以上を経た後初めて評価されて名声を得るに至った幻の作家、ジム・トンプスン。彼の作品は本国アメリカでは10年、長いものでは30年も手には入らなかったらしいです。ただしフランスでは大変人気があったようで、”ロマン・ノワール”(”ノワール”はフランス語で”黒”という意味で、”暗黒小説”などを指す)の代表格として支持されていたんですねー。

その素晴らしさは本国でも、クエンティン・タランティーノ、ジェイムズ・エルロイ、スティーヴン・キング等、錚々たるメンツが支持を表明しており、キングに至っては、「トンプスンは私の大好きな犯罪小説家。真似るものはたくさんいるが、ひとりとして同じ者はいない」と語るほど。

亡くなる直前、奥さんに、「ちょっと待っていろ。死んだあと10年したらおれは有名になっている」と語ったということですが、評価されず不遇の時代を過ごしていても、「おれのやってきたことは間違いない!」という確固たる信念を持っていたんですねー。

「トンプスンさん、あなたのいうとおり、10年以上経って世界はやっとあなたに追いつきましたよー!」



当ラボの研究結果は、ロビタ2号のラボの<'04 - novel>の方にUPしておきます。
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by robita00 | 2004-10-04 15:25 | ┗ novel - '04 | Comments(0)

本日の研究#1 【永遠の咎】

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本日の研材。

『永遠の咎』 永瀬 隼介著。



夫を亡くした綾乃は、息子を無認可のベビーホテルに預け、クラブのホステスとして働いている。ある日綾乃に届いた手紙は、夫を殺した犯人、当時夫の親友だった轡田からのものだった。どうしても夫の仏前でわびを言いたいと、突然母子の日常に現れた轡田。
その日から、綾乃ばかりでなく、周りの人間まで巻き込んで運命が動きはじめた・・・。

著者は別名義でノンフィクション作品も発表されている元事件記者、ということで社会的なテーマを扱うことはお手のものというところでしょうか。
今回もなかなかヘビーなところにスポットを当ててます。

しかし、何と言ってもこの作品が腹の底を重くさせるのは、どうしようもないほどの「閉鎖感」でしょうか。あがいてもあがいても抜け出せない、蟻地獄を思わせる感じ。
登場人物ほとんどが、この不幸の連鎖の只中にいます。どこまで行っても光が見えないような。

ラストは意見の分かれるところでしょうが…うーん、なんかすっきりしないような。
現実的にはこんな感じだろ、ってのも分かる気もしますが。
まぁ結構一気読み出来たんで、ウチとしてはまずまず、でしたが、惜しくもランクインとまでは行きませんでした。
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by robita00 | 2004-09-23 19:20 | ┗ novel - '04 | Comments(0)

本日の研究#2 【ZOO】

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本日の研材。

『ZOO』 乙一著。



「ジャンル分け不能」と言われる人気の著者による、’03発表の短編集。


なかなかBOOK-OFFでお見掛けしませんで。いつまで経っても読めないんで、やむなく新しいのを購入。

ホントは『GOTH』を先に読みたかったけど、まぁまずは短編でお手並み拝見!


人気者で母親からも愛される双子の妹をもち、自分は家で虐待を受けるの女の子やら、無痛症で家族もその死を願っている会社社長やら、人間を殺しては家の材料にするやつやら、自分の声で周囲の世界を意のままにできるやつやら、彼女を殺したやつを探し出すという事を毎日演じてるやつやら…。なるほど、なかなかバラエティに富んでますね。

きっと小さい頃から色んなアイデアをノートに貯めこんでたクチでしょうなぁ。ボクもやってました。まぁ、ボクは文才ゼロなもんで断念しましたけど。
それにボクは「こりゃちょっとリアリティなさ過ぎかなぁ」って思っちゃうであろうことも、ガンガン取り上げてます。それも力技でってカンジでもなく、さらりとやってのけてます。


ボクは、なんといっても”SEVEN ROOMS”が好きですねー。どうしてもこういう展開にはヤられてしまう。

ひとつひとつを吟味すると特別大好きってことはないんですけど、全体的にはバラッバラな題材を集めてる割にスマートにまとまってまるなぁと思いました。
それもセンスといったところでしょう。特に女性に受けるのではと思います。


当ラボの研究結果は、ロビタ2号のラボの<'04 - novel>の方にUPしておきます。
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by robita00 | 2004-09-20 20:25 | ┗ novel - '04 | Comments(2)

ロビタ2号の研究日誌 【あかね空】

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本日の研材。あれ?ウチのと帯が違う…
山本一力著 『あかね空』


京から江戸に下った豆腐職人・永吉が、江戸で豆腐屋「京や」を始めることに。
京の豆腐屋で修行した永吉の作る豆腐は優しく掬い上げないと壊れてしまうほどやわらかい。一方江戸界隈で食べられていたのは崩れない固いもの。
おいしさは永吉の豆腐が上のはずなのですが、かたい豆腐に慣れた長屋の人達には口に合わず「京や」は始めて3日で行き詰まってしまいます。
前半はそんな「京や」が周囲の助けもあって、何とか軌道に乗っていくまでを追って行きます。

いやぁ、相州屋さんが影ながら「京や」を支える姿が、涙を誘います。
まぁ、ボクはかーなーりの泣き虫なので、あまり参考にはなりませんが。

後半は同じ長屋に住む桶屋の娘、おふみとの間にもうけた3人の子供と永吉、おふみとの家族5人のそれぞれの思いに焦点が当てられています。
ほんの少しの気持ちのずれや、思い違いで仲を違えていく家族。そこに「京や」の繁盛ぶりを面白く思っていない商売敵の庄六の思惑などが絡んで「京や」に危機が訪れる、と。

途中、「おふみ、お前ってヤツは…」と思ってしまいますが、結局は皆それぞれ思うところがあったりするんですよねー。それが相手にはなかなか伝わらない。
「夫婦が並んでお参りしても、相手が自分と同じ事を祈願しているだろうか」と悩むシーンがあるんですけど、それは…実際のところわかりませんよね。誰しもエスパーじゃないんだから。
ならば、たとえそんなことは分からずとも頼り合えるのは身内しかないのだからと、そして頼り合っていれば自ずと同じ思いに向かうのではないかと、そんな事を思い知らされていきます。

それにしても、これを読んでたら豆腐が食べたくなったのはもちろんのこと、なんだか豆腐を作りたくなってしまいました。おいしいヤツを。

著者の山本一力さんは、電子科出身だったりするのですね。畑違いのところからこういう作品を生み出されるなんて、素敵だなぁ。
ボクも電子工学科出身なので、だから文才がないんだとそれを言い訳にしてきましたが、それができなくなってしまいましたね。むぅ。


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by robita00 | 2004-08-29 22:46 | ┗ novel - '04 | Comments(0)

ロビタ2号の研究日誌 【犯人に告ぐ】

<novel>

本日の研材。
雫井脩介著 『 犯人に告ぐ 』

新聞で広告を見て、次の日に買いに行きました。
大好きだった、前作『火の粉』の著者。
帯が、ボクの好きな作家3人(横山秀夫さん、福井晴敏さん、伊坂幸太郎さん)の推薦文だったこと。
かなりの期待度を持って読みました。期待が高すぎたせいで出来は悪くないのにがっかりしてしまう、なんて事が多いので、なるべく頭をまっさらにして臨んだつもりですが。

川崎で起きた連続男児殺人事件。6年前のある事件まで刑事部長だった曾根が警視監として神奈川県警に帰ってくる。
停滞したその捜査に曾根が打つ奇策とは、「テレビ局と手を組む事」。
メディアを巻きこんだ≪劇場型捜査≫、その主役に、6年前のあの事件の「責任者」であった巻島を指名する。

最後の事件が起きてから8ヶ月が経ち、決め手となる証拠もない捜査本部が犯人を燻り出す為に最後の手段に打って出るというのが表にくるテーマで、巻島特別捜査官、通称「ヤングマン」(笑)を通して6年前の事件が見え隠れするのがもう一つのテーマ、ってカンジでしょうか。

で、読んだ感想ですが…うん、なかなか面白かったです。
当ラボの評価は、読んでいる時の引き込まれ度を基本点として、そこに、読了時に心の奥底から滲み出る「じゅわ~っ」の分泌量、これが加算点として加わり決定します。
その「じゅわ~っ」は、感動でも、感嘆でも、感情でも、なんでもいいわけですが。
そう言った点でいうと、分泌量はさほどでもなかったのですが、基本点である「引き込まれ度」が高得点であった為、結果としては「なかなか面白かった」となったのでした。

残念ながら、ボクの中では『火の粉』を超えるものではなかったですが、あきらかに「外した」って話ではないと思うので、ちょっと気になった方はお手に取ってみてください。

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by robita00 | 2004-08-17 23:39 | ┗ novel - '04 | Comments(0)