ロビタ2号の研究日誌 【あかね空】

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本日の研材。あれ?ウチのと帯が違う…
山本一力著 『あかね空』


京から江戸に下った豆腐職人・永吉が、江戸で豆腐屋「京や」を始めることに。
京の豆腐屋で修行した永吉の作る豆腐は優しく掬い上げないと壊れてしまうほどやわらかい。一方江戸界隈で食べられていたのは崩れない固いもの。
おいしさは永吉の豆腐が上のはずなのですが、かたい豆腐に慣れた長屋の人達には口に合わず「京や」は始めて3日で行き詰まってしまいます。
前半はそんな「京や」が周囲の助けもあって、何とか軌道に乗っていくまでを追って行きます。

いやぁ、相州屋さんが影ながら「京や」を支える姿が、涙を誘います。
まぁ、ボクはかーなーりの泣き虫なので、あまり参考にはなりませんが。

後半は同じ長屋に住む桶屋の娘、おふみとの間にもうけた3人の子供と永吉、おふみとの家族5人のそれぞれの思いに焦点が当てられています。
ほんの少しの気持ちのずれや、思い違いで仲を違えていく家族。そこに「京や」の繁盛ぶりを面白く思っていない商売敵の庄六の思惑などが絡んで「京や」に危機が訪れる、と。

途中、「おふみ、お前ってヤツは…」と思ってしまいますが、結局は皆それぞれ思うところがあったりするんですよねー。それが相手にはなかなか伝わらない。
「夫婦が並んでお参りしても、相手が自分と同じ事を祈願しているだろうか」と悩むシーンがあるんですけど、それは…実際のところわかりませんよね。誰しもエスパーじゃないんだから。
ならば、たとえそんなことは分からずとも頼り合えるのは身内しかないのだからと、そして頼り合っていれば自ずと同じ思いに向かうのではないかと、そんな事を思い知らされていきます。

それにしても、これを読んでたら豆腐が食べたくなったのはもちろんのこと、なんだか豆腐を作りたくなってしまいました。おいしいヤツを。

著者の山本一力さんは、電子科出身だったりするのですね。畑違いのところからこういう作品を生み出されるなんて、素敵だなぁ。
ボクも電子工学科出身なので、だから文才がないんだとそれを言い訳にしてきましたが、それができなくなってしまいましたね。むぅ。


当ラボの研究結果は、ロビタ2号のラボの<'04 - novel>の方にUPしておきます。
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by robita00 | 2004-08-29 22:46 | ┗ novel - '04 | Comments(0)