【本日の研究】 『ナラタージュ』 島本 理生

<novel - '08>

本日の研材、
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                ・ 『ナラタージュ』

                     島本 理生 著



これほどの『純愛』ものを読むのは久しぶりな気がするなぁ、ってカンジでした。
<本の雑誌>が選ぶ、2005年度上半期の第1位作品。


お願いだから私を壊して、帰れないところまで連れていって見捨てて、あなたにはそうする義務がある―大学二年の春、母校の演劇部顧問で、思いを寄せていた葉山先生から電話がかかってきた。泉はときめきと同時に、卒業前のある出来事を思い出す。後輩たちの舞台に客演を頼まれた彼女は、先生への思いを再認識する。そして彼の中にも、消せない炎がまぎれもなくあることを知った泉は―。早熟の天才少女小説家、若き日の絶唱ともいえる恋愛文学。


自分で「純愛もの」って言っておいてなんですが、実のところ形上「純」ではなく。
でもそれが故に、そしてそんな状況は全く関係なく「純愛」なんだと、そういう事でしょうか。
って、自分でも何言ってるのか良く分かってませんがw

帯で小川洋子さんが、「封印したはずのあの痛みを、よみがえらせてしまう小説」と書いているように、ここまでかどうかは別として、誰もが思い当たるであろうあの痛み、のお話です。

ただ、あまり(成就した)恋愛経験の少ないボクとしては、「分かるなぁ」感は以前読んだ森絵都さんの『永遠の出口』の方がより強いかな?あっちの恥ずかしさを伴う恋愛の方がより共感できたかも。

  "この人からはなにも欲しくない。
  ただ与えるだけ、それでおそろしいくらいに満足なのだ。"


ボクの中では、この一言が作品の全てを表しているように感じました。


ちなみに<ナラタージュ>とは、映画などで主人公が回想の形で過去の出来事を物語る事、だそうです。タイトルのセンスもいいっすね~。
元々、都立高校在学中に芥川賞候補になったりされたそうで、若き天才なんですねー。


余談ですが、作中に映画の話がよく出てくるんですが、作品の流れにはほとんど影響を与えていないんですけど、ボクが今のとこ生涯一番好きな映画のことがほんのちょっぴりだけど語られてるのが嬉しかったです。まず他所で語られることがないもんで・・・


さて、ウチでの評価は★★☆
好作品でしたー。機会があれば、ほかの作品も是非行きます。

                 *      *      *

それでは、久々に本日の締めの句を。


「だけどきっと私はそうすると思います。今日のこともいつか思い出さなくなる、そしてまた、ほかの誰かをこの人しかいないと信じて好きになる。あなたに対してそう思ったように」

( 島本 理生 『ナラタージュ』 )


                 *      *      *

それじゃあ、見に来てくれた方どうもありがとう!おやすみなさい!ってか、おはよう!

o ̄_ ̄o)人 なますて~
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by robita00 | 2008-12-03 05:42 | ┗ novel - '08 | Comments(3)

Commented by cha-ya3373 at 2008-12-04 23:59
よかった、全然バツ!ではなくって。
うんうん。これほど純度の高い恋愛モノってなかなか出会わないよね。
ピュアな純愛と言うのではなくてね。笑
ロビさんの抜粋した言葉、どちらも私の中にしっかりと焼きついてるよ。

ところで↑を読んでいて、『永遠の出口』って恋愛小説だったっけ??ととぼけたことを考えてしまったワタクシです。 どうも、子供の頃の怖い先生のエピソードが頭に焼き付いちゃってて。 ほんとに記憶力無くて怖い。(ーー;) 


Commented by robita00 at 2008-12-05 00:30
あはは、うん、全然「全然バツ!」ではなかったよー。っていうか、良かった。
これらの言葉はボクの中にもけっこう強い印象を与えたもので。
で、何故だかボクは小野君が苦手だったんだよね~。なんでだろー?

あと、作中に出てくる戯曲「お勝手の姫」がもう少し意味のあるものだと思ったし、もう少し触れて欲しかったけど、さらっと流れてそこが残念だった、自分的にはだけどねー。

『永遠の出口』では、たしかあまり好きでない男の子に告白されて、しぶしぶ付き合うんだけど、結果自分の方が大好きになってしまって相手からうざがられる、ってとこがあった気がする・・・ボクも記憶力がヤバいw

さぁ、あとは明けて今日発売される<このミステリーがすごい>の今年版を買って、そこから一番好みっぽいのを1冊読んで、今年は終了だなぁ。
Commented by 藍色 at 2009-02-26 05:50 x
こんばんは。
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