また今年もこんなカンジ・・・ロビタ2号の巻

<'06 - novel>

いつも夏休みの宿題をラスト3日で泣きながら仕上げるタイプ。明日の自分を信じて、昨日の自分を恨むことの繰り返し。小学生時代から変わってません。

いつになったら大人になれるのかなぁ。あの頃より「大きい人」にはなったけど。
というわけで、やっぱり今年の研究も最後はばたばたと。



          ・ 『髑髏島の惨劇』   マイケル・スレイド
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初めて読む著者の作品が、まんまその人の印象になってしまいがち。マイケル・スレイドは読んで見て、”魔人”の名に相応しい、と、そう思いました。
第一長編にあたるという『ヘッドハンター』から読みたかったのですが、なかなかマイ鉱山である<BOOK-OFF>で発掘できず。同じく候補に挙げていたこの作品から手に取ったのですが、最初の5ページで「うっ、グロっ!!」と渋い顔になってしまいました。まぁタイトルからしてグロいに決まってるか・・・。

ただ、読んでいるうちに引き込まれてしまう事も確かであり、本格仕立てになってもいるので、万人受けするとは言いがたいものの好きな人は少なくないでしょう。ウチでもとりあえず合格点ではある。

それに巻末に添えられた<著者付記>で、「なお、この物語を生きのびた者たちは、いずれふたたび、読者諸兄と相見えることになるであろう。」という言葉がまた次を読みたい気分にさせるんだよなぁ。

ちなみに、”マイケル・スレイド”というのは、複数作家により構成された合作ペンネームだそうで。それも、参加者が頻繁に入れ替わっていると。なら、作品によって見える顔も違ってくるんでしょうね~。あんまり変わってもヘンだけど。登場人物カブってるわけだし。


          ・ 『フライ・ダディ・フライ』   金城 一紀
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ある平凡な父親が2ヶ月弱の間に経験する物語。

自慢の一人娘が殴られ入院したという知らせを受けた主人公の鈴木一は、殴った相手のボクシング高校生チャンピオンの石原の元に包丁片手に向かうが、誤って手前のオチコボレ学校に乗り込んでしまう。
そしてそこで出会った5人組から、刃物無しでの復讐に向けてケンカのトレーニングを受ける事に。


この人の作品は、自分の中では「めちゃいい!」というものではないんですが、いつでもどれもじんわりと好きです。
今回さらっと読み直したんですが、2回目の方がぐっときました。泣きそうになった。話自体は至極シンプルなんですけどね~、よいです。

ここに出てくる南方たちでもう一遍作ってくれないかなぁ、なんて思ってます。



          ・ 『十二番目の天使』   オグ・マンディーノ
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「泣ける話」を探していた時期がありまして。その頃にリストアップされたものの一つがこの作品。推薦している方が多かったんですよね~。

若き成功者であったが妻子を事故で亡くしてしまい、絶望の底へと突き落とされたジョン・ハーディング。
足も遅く、エラーと空振りを繰り返すが、決してあきらめない小さな少年ティモシー・ノーブル。
ジョンがそのティモシーから勇気と決してあきらめない心を教えてもらいながら、お互い成長していくお話。

作者は”人生哲学書作家”という肩書きらしく、とはいえ、堅苦しいものでは決してなく、エンターテインメントとしても充分成り立っている作品でした。

ウチでの評価としては、「いいお話」というところに止まってしまいましたが。でも、基準点はクリア。
尚、ハードカバーの裏には、野球が詳しくない人のための用語解説まで載ってます。



          ・ 『猿来たりなば』   エリザベス・フェラーズ
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イギリス南部ののどかな自然に囲まれた小さな村、イースト・リート。トビーとジョージは連続誘未遂事件を解決するため、このロンドンから遠く離れた片田舎まではるばるやってきたのだ。だが、そこで二人を待ち受けていたのはなんと、前代未聞の珍事件、チンパンジーの誘殺害事件であった! 英国ミステリ界の重鎮フェラーズの傑作本格。
「春、遠からじ」って、つい言いたくなってしまう、妙に「残る」タイトル考えた人、すごいです。
それにしても、”猿来たりなば”って、ホントにチンパンジーの話だった!すごいこと考えるモンです。ちょっと<バカミス>ちっく。
まぁ、英国ミステリー界の重鎮らしく、なんと長編を71編もしたためているとか。翻訳されているものが少ないため、日本での知名度はめちゃくちゃ高い、ということもないようで。それでも『このミス’99』で4位を獲っているのは流石。
ウチでも、合格点。



・ 『犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎
                    コニー・ウィリス
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SF界で最も有名な文学賞である<ヒューゴー賞>、老舗SF誌の読者投票で選ばれる<ローカス賞>、ドイツのSF賞である<クルト・ラスヴィッツ賞>と総なめってカンジな上に、昨年読んだ『航路』が非常に良かったこともあり、期待たっぷりで入ったのですが・・・。

元々、ユーモア小説『ボートの三人男』っていう作品にオマージュを捧げているってことなんで、その作品を知っているかどうかっていうのも作用しているでしょうし、ウィリス女史の代表作とも言われる『ドゥームズデイ・ブック』の後日談ということもあるので、両作品を知らない自分にはこの作品の旨みを引き立てるスパイス無しで臨んでしまった気がします。
その辺の予備知識があればもっともっと面白く読めたのかなぁ。



          ・ 『ニッポンの犯罪12選』   爆笑問題
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これは爆笑問題が手掛ける<日本史原論シリーズ>第6弾。それまでのものをずっと買ってるわけではなく、たまたま連載されていた≪ダ・ヴィンチ≫を読んで欲しくなったもので。

なので、他のものと比べて面白かったかどうかは分からないんですが、帯で太田氏も言っているように「世に犯罪の種は尽きまじ!」というまんまですね。
「12選」以外にも事件のあらましが載っているんですが、事実は小説より奇なり、というか、摩訶不思議な事件も多いです。

ブラックとは言えジョーク交じりに進んでいくので、そんなに重くならずにいい具合です。



             ・ 『黄金旅風』   飯嶋 和一
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以前読んだ『始祖鳥記』がボクも助手も非常に高評価であったので、今回の作品はリストに載っていなかったにも関わらず「名前買い」をした、ウチでは数少ない作品。

だったのですが・・・やっぱりリストに載ってないのは危険だな。ちょっと自分の中では焦点がぼやけてしまって、あまり登場人物に思い入れられなかった。なかなかその世界にも気持ちが入っていかなかったし。
残念な結果でした。これはさよならだな。



             ・ 『鉄道員』   浅田 次郎
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「この物語を書くために私は作家になった」と言ったという、作者の自信作『蒼穹の昴』が直木賞を落選し、その後この短編集で直木賞を獲られたという、リベンジ作品と言えなくもないですね。
しかもこの短編集のうちのほとんどが、自分にまつわる話であるというのも興味深いです。

実はこれも先の「泣ける話」を探していた時のリストアップ作品であり、多くの人に支持されていたものでした。ただ、解説にもあるように人それぞれ推薦作が異なっている、というのがまた興味が湧いた理由の一つであった気がします。

中でも自分が一番好きだったのは『ラブ・レター』。これは・・・かなり好きな話だなぁ。



             ・ 『動機』   横山 秀夫
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これまた短編集。氏が得意の”捜査以外の部署の譚”で、非常にマニアックなカンジに思えるんですが、これがまた面白いんですよね~。

特に表題作『動機』。この60Pちょっとしかない短い物語には、<横山エッセンス>の全てが垣間見える気がします。
他の3作品もまた違った面を見せる好作です。これは人に薦められるな、うん。



          ・ 『さよなら妖精』   米澤 穂信
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最後は今年の『このミステリーがすごい!』でも2作をランクインさせた、ノっている作家、米澤穂信の一昨年の作品。

異国の地からやってきた、少女マーヤ。彼女と過ごした日々、そして彼女が去ってからの日々が主人公の守屋の心を変えていく。

扱っているテーマは深く、そして重い。それはボクの生涯で一番好きな映画『アンダーグラウンド』と同様のものであり、そこに自分が食付かないはずはないんだけれど・・・。
逆に大好きなものと同じものを追っかけてるだけに、ハードルが高くなってしまったのか、この作品はウチでは何故か受け入れられず・・・。残念ながらこれもさよならとなりました。う~む。
って、わざわざ最後にそういうの持ってくるこたぁなかったかなぁ・・・。


というわけで、ロビタ2号のラボについては、とりあえずこんなところで。

今年の『このミス』、さ~っとみたところでは特に「これ読みたい!」っていうのは無かったし。1位の作品がグロそうで、好みで無さそうっていうのが大きな理由だったり。

なので、後は助手が買ってきて、「(息子を想像してしまって)悲しくて読めない・・・」と言ったまま放ってある、『ナイチンゲールの沈黙』を読んで今年は終了だな、うむ。
『バチスタ』の続編であるだけに、期待は高まるが・・・。『このミス』で上位だったからと言って自分に合わないものも多いっていうのはもちろんあるんだけど、それにしても『ナイチンゲール~』に一票も入っていないってのは気にかかる・・・。

当ラボの研究結果は、ロビタ4号のラボの<'06 - novel>の方にUPしておきます。
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by robita00 | 2006-12-13 22:08 | ┗ novel - '06 | Comments(2)

Commented by ちゃや at 2006-12-19 06:01 x
こんにちは!!
忙しそうなのに、結構本読んでいるんだね~~。すばらしいっ。
私は読みたい本は山積みなのに、(「蒼穹の昴」も持ってきたし!)ぜんぜん時間がやりくりできません。(>_<) 来年こそはと意気込んでるけど、どうかな?
ロビさんのセレクトってバラエティに富んでいるよね。そうそう、前から泣ける本が読みたいって言ってたけど、思い切り泣ける話って見つかったのかな???(笑)  泣きのツボも人それぞれだから、これだ!と言うのを見つけるのってなかなか難しいんだよね。 
Commented by robita00 at 2006-12-20 01:56
おぉ、ちゃやさん、こんばんわー!!
忙しいの。だから現実逃避。というか、この辺のはかなり前に読んだものなんだ。最近は進みが鈍いっす。
でも、確かに「読書熱」はここ数年、衰えてないなぁ。全然進みは遅いんだけど、常に何か読んでいたい気分が続いてる。良きことです、うんうん。
バラエティに富んでるというか、尻が軽いというか・・・。まぁ色々読んでみたいんだよね~。1人の作家をとことんまで追究していきたい気はもちろんあるんだけど、それ以上に色んな人の読んで、自分に「ばち~~~ん!」とクる人を探しあてたい欲求の方が強いんだね、今のところ。
人の薦める「泣ける本」はなかなか泣けないなぁw 「泣ける話」ってのにもぐっとくるものがない。「泣ける」って聞いた時点でハードルが高くなってるんだね、多分。でも、そのうち見つけるから!