【本日の研究】 THE BACK HORN 『ヘッドフォンチルドレン』
本日の研材、
・ 『ヘッドフォンチルドレン』
THE BACK HORN
名前は目にしつつも、今まで音を聴いたことのなかったバンド、THE BACK HORNの'05発表の4th。
去年≪TSUTAYA≫でレンタルした10枚の中のひとつ。【欲しいCD帖】に入っている数多くの作品から選んだものの、既に何に惹かれてエントリーされていたか分からなくなってまして。
とりあえず聴いてみたものの、自分のメインの方向でないせいか、最初まるで耳に入ってこなかった。
んが!3回目くらいの時に何故か耳にかかり、その後はもう聴く度にその素晴らしさに打ちのめされてます!何故にすぐ気が付かないんだろう、ホントばか。
#1("扉")で始まった後の、#2("運命複雑骨折")の出だしの音!そしてそれに続く、
〝歌の中全てが大げさな顔をして
「芸術とは何ぞや」と続く禅問答〟
〝クソで涙してクソで共感を求め
クソを賛美してクソに人生をかける
売れればいいけれど売れなきゃただのクソ
気が付けば誰もが立派な商売人 嗚呼・・・〟
と続く歌詞!そして、
〝夢見る凡人 迷惑な奴でごめんなさい
ぶっちゃけ本当は悩んでる振りがしたいだけ
歌いたい事もなく歌うべき事も何もない
それでも歌いたい 歌わなきゃ気が狂いそうさ〟
うーむ、目新しい詞だというわけではないんだけど、このメロにこの歌い方でこられると響く。
そして、#3("コバルトブルー")へとなだれこむ。
〝だけど俺達泣く為だけに
産まれた訳じゃなかったはずさ
ただひたすらに生きた証を刻むよ 今〟
そう、未来を見るわけじゃなく、ただ「今」を見る。
自分が若くないからそう思うのか?でも、山を登るように一つ一つ足場を刻んで上っていくしかないじゃん。いきなり頂上にロープ引っ掛けるわけにはいかないんだから。
そんなカンジでその後もグイグイきます。
〝自分さえ愛せずに人を愛せはしない〟
とずばり言い当ててくる、#5("夢の花")も、
〝探し物なんて本当はもうどうだっていいんだろ?
歩き続けてゆく為に歩き続けてゆくんだろう〟
と突きつけてくる、#6("旅人")も、
〝人生は悪かねえ 良くもねえけど・・・〟
と呟く、#8("上海狂想曲")も、どれもが響く!
そして、
〝不意に人にぶつかって 不意に音楽が途切れて
自分が自分じゃなくなる気がして車道にうずくまる〟
という、そんな誰にもある「どーしようもなく不安」な情景を描く、タイトル曲の#9("ヘッドフォンチルドレン")へと繋がる。
そして、そして!!
どうだろう、この#10("キズナソング")の壮大なカンジは!日本でもこれほどのスケールを打ち出せるバンドがあるのだ、見たかっ!
日本の音楽はどこの国よりも好きで、特に繊細な感じが独特だなぁって思うんですが、その反面<スケール>っていう点においてはアメリカなんかに敵うバンドは本当ーーーーっに少ない気がする。それは大好きなUKの音楽も同じで。・・・同じ島国っていう、ただのイメージからくるものなのかなぁ。でも日本とイギリスはやっぱ似てる気がする。ただ、だからこそ日本とUKの音楽が大好きなのですが。普段<スケール>の大きさなどは音楽に求めていないもんで。
話逸れましたが、歌詞見ても他の曲と比べて全っ然普通。だけど激しい歌詞の中にあるからこそ輝く「ありきたり」さ。
〝誰もがみんな幸せなら歌なんて生まれないさ
だから世界よ もっと鮮やかな悲しみに染まれ〟
おぉ・・・
そして、そして、そして!!!
"キズナソング"の後にくる#11("奇跡")!これはもうホント、いうことありません・・・。さいこー。
まぁとにかく流れが素晴らしい。特に最後2曲のラス前とオーラスっていう配置は完璧!
何にしろどの曲とっても必要で必然な流れにあって。無駄なパーツはまるでなし。本来好きでないタイプの#4、7といった曲も完璧な流れの中に配置されていて、「これが無いと」とさえ思えるほど。
とはいえ、「完璧」といってもプログレのようにかっちりきっちり型にはまっているわけではないので、息苦しいカンジは皆無。でありながら、この完成度。なんだ、これ!?
「激しさ」と「大きさ」。知性派バンドでありつつ、箱庭的な世界にとどまらない正に奇跡のバランスのバンド。これが日本を席巻しなけりゃ間違ってる!ってか、英米どこに出しても見劣りしない。うん。
と、息切れするほど興奮してますが、もう1年も経った作品であり、当時(もしかしたら今も)すごく騒がれてたかもしれません。特に興味がなかったので見逃してました・・・。
兎にも角にも、初めて借りてきたものを実際に買おうと思いました。「音源はあるんだから別に良いじゃん」っていう気は皆無。借りてくる前だったら中古で見つけても他の候補に負けてたかも。そしたら<欲しいCD帖>に載ったまま、ずっと聴くこともなかったかも。ラッキー・・・。
いやぁ、ロビタ1号のラボは今年も限りなく最高のスタートを切った。っていうか、去年から音源はあったんだよな・・・ばか。まぁいい、聴けたのだから。ホント良かった。
問題は「最高のスタートを切った」ことより、たぶん今年これ以上の作品には出会えないだろうと確信してしまって悲しくなったことであり。「ずっと追いかけて行く!」と決めたのはナカムラ君とバンプとオザケンとベルセバくらいだったのだけど。増えた。やったぜ!
そして何よりも、これが4枚目ということは、当たり前だけど他に3枚も聴けるということなのだ!コアなファンの中には今作より以前の方が好きだという意見も見かけた。おおぉっ、わくわくさせるぜぇ ア、コウフンシテ (* ̄ii ̄) ハナヂガ・・・
今年は去年のパトラッシュの反動か、自分は今年はこっち方向なんだなぁ。
今回の研究結果は、ロビタ1号のラボの<'06 - album><'06 - song>の方にUPしておきます。
by robita00 | 2006-02-14 22:56 | ┗ album - '06