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駆け足で・・・part3

<novel>

そして最後はロビタ2号のラボから。



・ 『神は銃弾』 ボストン・テラン

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ボストン・テランの'00発表の第一長編。CWA新人賞受賞作。

事件はトレーラー内で老婆が殺されているところから始まる。
そして25年を経て、その老婆が面倒を見ていたサイラスという男がある夫婦を惨殺、娘を誘拐する。その娘の元父親である警官ボブは愛する娘ギャビを取り戻すべく独自に捜査を始める。

そこに、今はリハビリテーションセンターで過去のドラッグ中毒から立ち直ろうともがいているケイスが手紙を寄越してきた。以前サイラスらと行動していたケイスは、自分と同じ境遇にある女の子を救うためにボブに力を貸すことに決めたのだ。


所謂"ノワール"ですねー。カルト集団vs警官・ジャンキーという構図です。ボクにはそこかしこに散りばめられたメタファーが過ぎて鼻につくっていう印象なんですが、読んでいる間かなりのめり込んでいたことも事実。面白かったっす。



・ 『航路』   コニー・ウィリス

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「臨死体験」とは何なのか?というお話。

読んで「どーん!」というものではないかもしれないけど、読了後「じゅわ~っ」がじわじわと滲み出てくる作品。
「ホント、こういうことなのかもね」、「こうだったら素敵だよなぁ」っていう想いを抱かせてくれました。

訳者の大森望さんも巻末で、「ぼくがこの十数年で訳してきた四十冊近い本の中では、この『航路』がまちがいなくベストワン」とおっしゃられているほど。

ただかなりのボリュームであり、ただでさえ読書時間が削られているためにこれにかなりの日にちを費やしてしまった・・・。まぁ楽しい時間が長く続いたと思えば何でもないことですが。 



・ 『震度0』 横山 秀夫

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N県警本部が舞台。お得意の「捜査官以外を書く」という手法で、今回は県警中枢部にスポットを当ててます。

阪神大震災が起こった朝、県警本部長の椎野の元に警務部長である不破の失踪が伝えられる。只事ではない。普通の警察官が消えたわけではなく、県警の最高幹部の一人が失踪したのだ。まさに県警を揺るがす事件。
キャリアvsノンキャリ、出世争い、各部署各幹部の思惑とプライドが交じり合う中、マスコミへの対応の時間は迫る。果たして不破はどこに、そして何故消えたのか。


横山秀夫という作家はまぁ外さない人ですね。話が「書ける」人です。
これは今まで読んだ作品と比べてしまうと、ウチではちと落ちるんですが、平均点は確実にクリアしてます。



・ 『死神の精度』 伊坂 幸太郎

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死神はいるそうです。そしてとり憑かれると一週間後に死ぬそうです。たいていの場合は。彼らが死を実行することに"可"の判定をすれば。

そんな死神の関わった6つのエピソード。

伊坂作品はどれも大好きですが、「これが必殺の・・・」っていうとこまでの作品は自分的には無くて。今回も同様の印象でしたけど、ラスト、こういうことやられちゃうとボクは弱い・・・。参ってしまいます。それまでそうでもなかったんですけど、「じゅわ~っ」っとね。きてしまいます。こういう「じんわり系」に最近弱いなぁ。



で、最後にこれ。
・ 『容疑者χの献身』 東野 圭吾

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この作家ほど当ラボで当り外れの差が大きい人もおらず、自分的にはなかなか困った人なんですが。
『秘密』などはボクは号泣必至なんですが、あとは好きだったりそうでなかったりってとこで。
なんでいつも手探り状態。「今回はどうなんだろう?」。なのに結構手にしてしまうんですよねー。

今回は『このミス』でダントツだったこともあり、期待も持って臨みました。

結果は・・・悪くないっす。うん。いや、いいと思います。ダントツってことは無いと思うけど、でも・・・今年の作品は例年と比べて不作だった、かな?いや、どれも楽しく読めはしましたけどね。


当ラボの研究結果は、ロビタ2号のラボの<'05 - novel>の方にUPしておきます。

by robita00 | 2005-12-31 01:03 | ┗ novel - '05