【本日の研究】 桐野夏生 『柔らかな頬』

「総務・経理」という仕事の関係上、この時期は給与処理と、賞与処理と、月末の締めと、年末調整と・・・といった具合で、ヒジョーに忙しい日々が続いてます。
ま、それも「二日間は会社から離れてゆっくり休みたい!」と思うからこそで、休日出勤すればなんてことはないんでしょうけど・・・。

兎にも角にも、研究は進めど発表の方が遅々として進まず、っていう状態で。この調子じゃあ年の最後に結果だけ羅列ってことになりそうだなぁ。しょうがない、今は出来るものだけ少しづつ。


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本日の研材、

『柔らかな頬』   
      桐野 夏生







『OUT』でブレイクした桐野夏生の'99発表の直木賞受賞作。

物語は、「現代の神隠しか 深まる謎 有香ちゃん失踪事件」という見出しの、新聞記事のようなもので始まります。
森脇道弘・カスミ夫妻の5歳の娘が、遊びに訪れていた夫婦の知人である石山洋平の別荘から忽然と姿を消してしまった・・・
そしてその後はカスミを中心に据えてストーリーは進んでいきます。

生まれ育った北海道の寂れた海岸沿いの飲食店。「この海を見て一生を終えるのなら、死んだほうがましだと子供心にも思った」。
おしゃれをしても誰も気がつかないようなどうしようもなく閉じられた村。そこからの「脱出」を想い、そして家出を決行する。

が、東京に出ても状況は変わらない。
勤め先の小さな製版会社の社長である森脇との結婚は、ただただ生活に疲れ果てた自分を残すのみ。

今では森脇の得意先である石山との逢瀬だけが拠り所。止めては生きていけない。石山と会うことだけが今の自分の「脱出」だから。

そんな時、娘がいなくなるという事件が起こってしまう。

自分が家出したから、自分が親の前から消えて無くなったから、娘も自分の前からいなくなったのか?因果が巡っているのか?それとも「石山といれるのなら子供を捨ててもいい」と一瞬でも思ってしまったからなのか?

数年が経ち、娘を探し出すことだけが生きがいとなるカスミに、余命わずかの元刑事内海が加わって捜索が始まる。
娘はどこかで生きているのか?誰が犯人なのか?何故、娘はいなくなってしまったのか?

様々な人間の視点がからまり、思わせぶりな場面なども盛り込みながら話は進んでいきます。

で、実はこの直木賞を獲ったほどの作品ですが、最後の2行を巡って賛否両論あったようです。言われてみれば確かに気にはなるかなぁ。要らんかったかも。
まぁどんなものにも賛否はありますからねー、人それぞれ違った捉え方をしていいんじゃないでしょうか。
ボクは・・・うん、まずまずでした。ちょっと思わせぶりが過ぎたかなぁ、とは思いますけど。


当ラボの研究結果は、ロビタ2号のラボの<'05 - novel>の方にUPしておきます。
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by robita00 | 2005-11-12 08:30 | ┗ novel - '05 | Comments(0)