【本日の研究】 是枝 裕和 『小説ワンダフルライフ』

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本日の研材、

『小説ワンダフルライフ』
  是枝 裕和








『小説ワンダフルライフ』は同名の映画が基になってはいますが、単に映像を文字に置きかえたものではありません。脚本に肉付けをし、ふくらませたものでもありません。今回僕がやりたかったのは、映像を活字に定着させるのではなく、映画という形でいったんふくらんだ『ワンダフルライフ』のモチーフを、活字というフィールドへさらに解放していくことでした。ですから読者のみなさんには、この小説をそれ自体独立した作品として読んでいただければ幸いです。
以上、巻末にある作者によるあとがきの一文を抜粋させてもらいました。

この言葉から分かる通り、まず映画が先にある作品であり、それを映画監督が自ら小説化したもので。ボクは映画を見ていないので、先入観無しで自然と入ることができました。

人は亡くなると、天国の入口でこう言われます。「あなたの人生の中から大切な思い出をひとつだけ選んで下さい」天国に行くまでの7日間で、死者たちは人生最良の思い出を選択するように迫られ、それを職員が再現して映画に撮影し、最終日には上映会が開かれるのである。そこで死者たちは改めて自分の一生を振り返る。懐しさにひたり、後悔したり、思い悩んだ末に彼らが選んだ思い出は…
というのが、あらすじです。

「あちらの世界」と「こちらの世界」とを繋ぐ空間。そこでの一週間を描いた物語。

主人公が誰、ということのないお話。そこを訪れる死者たちも、そこで思い出を選ぶ手伝いをする職員たちも。

さまざまな思い出を抱えています、誰もが。そして皆それぞれ「これ」という瞬間があるわけですが、なかなか選びきれない人もいます。中には納得できず、選ぶことすら拒否しようとする者もいたりして。

そしてその中に、「何か”生きた証”がわかるような出来事を選びたい」と言って、なかなか選べない人がいて。
職員の一人、杉江はこう言います。

  「”生きた証”っていってもねぇ。普通さ、ほとんどの人はそんなもの残せないんだから。
  ここに来てから”生きた証”なんて探しても遅いよ」

そうかもしれません。

それとは別にボクは思う。そもそも”生きた証”なんかいらん!、と。ボクがここにこうして”生きている”ことだけで十分。自分の人生、目一杯生きて、生きて、その事に自分で満足いけばそれでよし!
・・・なんて。何一つ成し遂げていない人間の負け惜しみかなぁ。
それに、「目一杯」といっても、一生懸命何かをしているわけではなく、ただ単に「少しでも幸せに楽しく暮らせるように頑張ってる」だけの話ではありますが。

でも、4歳で亡くなった姉を含め、思うように生きれなかった人たちも沢山いるわけで。生きさせてもらっている自分が、自分自身で満足出来るようにしようという気がないと、そういった人たちにも失礼な気がする。だからボクは、日々「楽しくやれるよう」に頑張るのだ!おー!
・・・お、微妙に話がズレてるぞ。

ズレついでに。
このお話の設定とは異なりますけど、もし「思い出の中から一つだけ戻っていい」って言われたら、この瞬間って決めてるのがあります。っていうか、10分でいいからその時間のその場所に戻って、そこにいる自分に言ってみたい言葉があって。
「お前がさ、今思ってること。そのこと、将来実現すっからさ」。どんな顔することやら・・・。


当ラボの研究結果は、ロビタ2号のラボの<'05 - novel>の方にUPしておきます。
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by robita00 | 2005-07-25 22:45 | ┗ novel - '05 | Comments(0)