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本日の研究 【 ライフ・イズ・ビューティフル 】

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本日の研材、

・ 『ライフ・イズ・ビューティフル』
   '98伊、監督: ロベルト・ベニーニ。




2週連続。なかなかいいペースになってきた。

主人公のグイドはユダヤ系イタリア人。いつも陽気な彼は一目惚れしたドーラに猛烈アタック。婚約までしていた彼女と見事結ばれる。
そして、二人の間に授かった息子ジョズエと3人で、夢であった本屋を営みながら幸せに暮らして行く。
しかし時は第2次大戦。ユダヤ系であるということでグイド達にも暗い影を落としていく。


非常に簡単ではありますが、まぁあらすじはこんなカンジで。

監督、脚本、主演をこなしたロベルト・ベニーニは本作でカンヌのグランプリを獲ってますね。彼がインタビューでも言っている様に、とてもシンプルで分かりやすい話です。


~以降、ネタばれあります、念のため~

前半は、グイドがドーラと結ばれるまでを描いてます。で、その最初の40分くらいは「…やっちゃったか?」と思うくらいノれなかったんですが。

しかし、前半と後半でがらっとタッチが変わります。

グイド達は”ユダヤ系”だというだけで他に理由も無く、そう、ホントに何の理由も無く、強制収容所に運ばれます。が、グイドはそこで息子が絶望してしまわないように、架空のゲームを創りだして「これはゲームなんだ」と思わせる。そして二人はその”ゲーム”に勝ち残る為に”現実”に立ち向かっていく、というのが後半部分。
そしてグイドの「いかなる時でも常に希望を抱いていれば!」という思いが奇跡を呼ぶわけですが。

あの医者との”なぞなぞ”が絶対にカギになる!と踏んでいたボクは医者が謎めいた事言い出したんで「来た!これが伏線だぞ!」と自分に言い聞かせていて。あれがヒントとなっていて、実はグイドは助かっているのではないかと、ずっと思っていたのですが結局そのまま終ってしまった…。どうやらあの医者は単になぞなぞが解けなかったようで…。

あの医者の言った、「頼む、力を貸してくれ」という台詞。あれはホントになぞなぞを解きたかっただけで、監督が「人生とはそんなもんだ」とか「どんなに仲良くても所詮他人事でしかない」とかいうことを描きたかったのか、それとも、あの医者はもうドイツがおしまいで自分も危ない立場になったっていうことを示していたのか。
何にしても給仕に呼ばれた時の「助けてくれるかも」という思いは裏切られる事に。それにしても「大事な話しがある」ってコレかいっ!ってカンジですが。

その点気になったので、他の観られた方はどうだったのか見てみようと思ったら、やはり「?」という人が数人おられたようで。
ただそれ以外に、「リアリティがない!」等の批判が幾つかありました。
まぁ人それぞれなんで、ここからはボクの見方として。
”リアリティ”なら周りに山ほどある。ボクにとっては物語には”リアリティ”を求めているのではなく、ご都合主義だろうが何だろうが、惹きつけてくれる、のめり込ませてくれるという事が重要で。それであれば、宇宙人が出てくる話だってなんだって構わない。
なので、その点はボクには問題はありませんでした。

で、その救いの気持ちを打ち砕かれた夜に収容所に帰る道で、眠るジョズエを抱きかかえながら木々の間を歩くグイド。

   「ここはどこだ?道をまちがえたかな」。

森をさまよう様は、いつでも陽気に切り抜けてきたグイドが今はその進む先を見失っていることを投影しているかのよう。

   「眠ったか 楽しい夢を見ろよ
   全部夢かもしれない きっと夢だよ
   明朝ママが起こしにくる コーヒーとミルクを用意してくれる
   朝食を食べた後 愛を交わす事ができたら… できたら…」

ラストが涙、っていう事でしたが、ボクはここが一番キたかな。

っていうか、ボクは後半完全にジョズエと自分の息子がオーバーラップしてしまった…。息子の一つ上くらいかなぁ。ハラハラして観てしまいました。
ヨメさんに至っては、完全に息子を重ね合わせて見てしまったらしく、「筋なんか全然追えなかった…」とのこと。なので作品自体の評価は付けられないそうです。まぁそれくらいのめり込ませたとも言えるかな。

まぁともあれ、やっぱりこういう映画見た後にいつも思うことは、ホントにベタなんだけど「戦争はイカン!」ということですかね。どんな戦争であってもいいはずがない。
この時紛れも無い”正義”であったはずのアメリカは、独裁者が出てくることに過剰に怯え、今や自身が当時のドイツのようになっていることに気付いてもいやしない…。

今回の研究結果は、ロビタ3号のラボの<cinema - '05>の方にUPしておきます。

by robita00 | 2005-02-08 00:29 | ┗ cinema - '05