本日の研究 【荊の城 / サラ・ウォーターズ】

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本日の研材。

『 荊の城 / サラ・ウォーターズ 』



19世紀半ばのロンドン。17歳になる少女スウは、下町で掏摸を生業として暮らしていた。そんな彼女に顔見知りの詐欺師がある計画を持ちかける。とある令嬢をたぶらかして結婚し、その財産をそっくり奪い取ろうというのだ。スウの役割は令嬢の新しい侍女。スウは迷いながらも、話に乗ることにするのだが……。


デビュー作である前作『半身』が、『このミステリーがすごい!』、『週刊文春ミステリベスト10』でダブル1位に輝くという快挙をやってのけた、サラ・ウォーターズの期待の第2作目。

とはいえ『半身』を読んでいないワタクシ、英国期待の才媛の作品に何の予備知識も無く入りました。

育ての母サクスビー夫人に、まるで宝石のようにかわいがってもらった17歳のスウと、ひどく時代遅れの城館から逃れることの出来ない、同い年くらいの娘モード。二人の少女の人生が交差した時に何が起こるのか。

息子の入院中に読んでいたということもあるのか、上巻の前半部分はなかなかその世界が頭に入ってこず。「う~ん、今イチかなぁ」なんて、だらだらと読んでいたわけです。

が!
上巻半ば過ぎ、第一部(この作品は三部構成)の終りに来た時にガツンとやられました。思わず声に出しちゃった。「そう来たかぁっ!!!」

   ”よかった、とあたしは思った。
    / あたしは最初からいるのだから-いい人たちの側に。砂糖菓子のある側に。”

スウの言葉が胸に残ります。

スウの住む場所からは、ホースマンガー・レイン監獄がよく見えるんですが、そこはその頃殺人犯が屋上から吊るされる場所でした。そう、そういう場所だったんですよね…。

自分が見てる人生は、本当に自分が選んだ人生なのかな、ってことを感じさせる作品でしたかねー。

読んでいる時の引き込まれ度は途中からかなりのもんでしたし、心の奥底から滲み出る「じゅわ~っ」の分泌量もまずまず(泣きそうになったトコあるし)、かつ、「ヤラレたっ!」度が結構なポイントでしたので、当ラボでは高得点!を上げていいでしょう、うん。

当ラボの研究結果は、ロビタ2号のラボの<'05 - novel>の方にUPしておきます。
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by robita00 | 2005-01-25 21:48 | ┗ novel - '05 | Comments(2)

Commented by やまねこ at 2005-02-23 00:20 x
トラバまでいただき、ありがとうございます。
確かに「ヤラレたっ!」って感じでした。
上巻第一部最後の驚きは、瞬間値は最高得点に近いものを感じました。
ナンバーワンは侮れないですね。
Commented by robita00 at 2005-02-23 22:42
あ、どうも、こんばんわー!
いやぁ、確かに侮れません。やっぱりこのじっとりと湿ったカンジは英国ならではというところでしょうかねー。音楽から何から全てそういった要素があって、だから好きなんですよねー。
遅読ではありますが、色々と読んでいきたいとは思っているので、何か面白いのがありましたら、またご一報下さーい!