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本日の研究 【OZ / 100s】

本日の研究 【OZ / 100s】_a0035263_182012100.jpg<music>
本日の研材、

『 OZ / 100s 』




ボクの中での≪生涯No.1アーティスト≫中村一義が組んだバンド”100s”の1st。

ボクにとって特別な存在である中村一義、100s、の作品。買って一週間はじっくりと聴き込んでから研究発表を!と思っていましたが、やはり2005年の研究の頭(実際は2発目ですが…)を飾るのはやはりコレしかないっ!実際買ってからずっと流しっぱなしなので、十分発表に足る聴き込みも出来ました。
ただ惜しむらくは、メンバーがみんなで映画「オズの魔法使い」を観て、共通の世界観を感じていったということなのに、ボクはその話の筋すらも知らないということで。最初に観ておくんだったなぁ。

まぁ、しょうがない。
で、今回は全曲追って行くという初の試みを。
※聴き直して感じるものがあるたびにちょこちょこ書き足してますので、ちと変わってます。あしからず。

#1 OZⅠ

中村一義3rdアルバム『ERA』を髣髴させるスタート。
<スペースマウンテン>風味のサンプリングをバックに、2ndSgに収録の”初終”が流れるこの曲でアルバムの幕が上がります。

#2 A

ギターの音がカッコよく響く、100s名義1発目のSgをアルバムのハナに持ってきました。
「100sのテーマ曲」とナカムラ君も言っていましたが、当時は「良い」とは思えども「イイっ!」ってとこまで自分の中では行ってなかったんですが、こうしてアルバムの1曲として聴くとスゴク良くて、やっぱりハナにはこれしかないな、とまで思いました。
「1、2、3」のように、勢いに乗せる曲です。

   ”要は、飛び立つ瞬間が今日さ。自分を行け、行け。”

#3 B.O.K

今の時代に”バンド”というものをやっている、そのみんなに「OK!」と言いたい、っていう発言をしていたように記憶してます…たしか。

相変わらず歌詞カード見ないと何を言ってるんだか分からない。でも、聴いた印象で歌詞カード見て、「そんな風に歌ってたんだ!」と思うのもナカムラ君の歌詞の楽しみ方の1つでしょう。1粒で2度おいしい。

雰囲気で適当な言葉を乗せながらメロディーを作り、あとからその言葉に似てる言葉を当て嵌めていくっていう曲の作り方だと言っていたので、それであの不思議な感じの歌詞になるんでしょうねー。あまりに素晴らしいフレーズに溢れているので、「まず歌詞ありき」なんだろうなぁ、と思っていましたけど、それ聞いてちょっとびっくり。

#4 バーストレイン

この黄色い車体の列車は、「ドクターイエロー」のニックネームを持ち、新幹線の架線、信号などを新幹線と同じ速度で走りながら診断して行きます。というのが、3歳の息子の本からの情報。って、フォトの情報は別にいっか。

軽快なリズムで飛び出す、目下<私的No.3>の曲、です。

歌詞に出てくる、ブルーハーツ、ハイロウ(ズ)といえば、ナカムラ君の大好きなバンドで知られていて、『ERA』でもマーシーに1曲弾いてもらってますね。歌詞を共作している小野ちゃんにとってもヒーローなんだろうなぁ。

その『ERA』でギターの録りをお願いした時、事前に「小さいアンプでイイよ」と言われたものの一応色んなの用意しておいたら、やって来たマーシーは即座に一番大きいの持って行ったっていう逸話が、らしくていいです。

話、逸れましたが。

   ”もう2度とはないよ。さぁ、だから飛び乗んだ
    もう2度と来ないよ。存分に進め”

こういう「いいんだ、行こうぜ!」っていう曲が、ホントうまいんだよなー。すごくクる。こういう曲が前作には無かった気がする。この曲、大好き!!

#5 ここが果てなら

ここからミドルテンポの曲が続きます。これもイイ曲っすよー。

   ”ここが果てでもいいや。
    ここで果てたなら、世界を見渡せばいい。”

ナカムラ君のフレーズでは”果て”って出てくる事あるんですが、そこにネガティブなイメージは微塵もありませんね、常に。ポジティブ、っていうなんだか軽い感じともまた違うんだけど、いつも勇気付けられます。すごいんだ。

#6 なのもとに

   ”君が初めて受け取ったもの。
    そうさ、みんなの「名前」だろう。”

確実に愛を映すもの。
親になって分かる。その何十年後は分からないけど、間違い無くその時は”愛”を込めてつける。つけられるもの。
「そうだったなぁ」って、当時の気持ちを思い出させる曲です。

#7 OZⅡ

幼稚園のような喧騒から、玉田くんの和太鼓も幻想的なインスト。

#8 (For)Anthem

   ”あのバカが捨てた僅かな火種、
    この世界を包む炎へ”

静かな曲調とは裏腹に、怒りが感じられる曲。
ストリングスも壮厳な調べ。

#9 Sonata

”アンセム”に続いて、”ソナタ”ときた。奏鳴曲。
ピアノの音が印象的。

歌詞は…ちょっとまだボクの鈍い感性では感じることが出来てません。

#10 やさしいライオン

という絵本が実際にあるそうですね。すんません、有名なのかもしれませんが知りませんでした。
で、どんな内容なのかなぁ。

作曲にはB.の山口くんがクレジットされており、その優しい雰囲気通りの、優しげな曲調になってます。1st Sgのカップリング曲。

#11 Leek Rag's Leek#12 Santa's Helper

うーん、この辺りは自分的には特に触れることがなく…。

#13 Honeycom.ware

で、この2nd Sgである曲に繋がります。
ここのギターフレーズはまっちぃが考えてきたらしく。強いピアノのラインに、ギターも同じように強いラインを持ってきた、と。すんません、ボク、理論や音的な詳しいことちんぷんかんぷんなんで。記事そのままです。あはは。

でも、まだ自分的にはしっくりきてなかった100sの音が、このSg聴いた時に初めて自分に強く響いたんですよねー。この時にアルバムは好きなものになるんじゃないかとは予想出来ました。ここまでとは思いませんでしたけどねー。

   ”君が望むのならしな、しな。
    心、生きるのなら。”

ちなみに以前にも書いたように、表題の”HONEYCOM.WARE”というのはナカムラ君の造語だそうです。”プラスチック・ハニカム”という建材があるそうで、六角形の蜂の巣構造(ハニカム)っていうのは強度があって衝撃に強いらしく、「この6人でやっていく!」という決意表明というところでしょうか。

#14 扉の向こうに#15 OZⅢ

   ”扉を向こうに、向こうに、蹴り上げな。
    扉を向こうに、向こうに。声の方へ。
       *   *   *
    なぁ、泡の栄光と、
    なぁ、なに比べてんだ?”

まっちぃのいう、「自分の中で”君ノ声”と”永遠なるもの”は超えた」という曲はこれなのでしょうか。どこまでも伸びて行くような<光>をカンジさせるような音と、それに乗るナカムラ君の透き通る声がうまくマッチした感動的な曲です。

<扉>を向こうに「蹴り上げる」辺りが、バンド体制になって得た芯の強さを感じさせます。楽曲も同じく、やっぱりバンド体制になってしなやかな力強さを得た気がしますねー。

そして、それのアウトロをそのまま引き継いで、インストへ。

#16 光は光

そしてここで。目下<私的No.1>の曲がきます。

『100s』でも池ちゃんがクレジットされた曲はこういう美しく突き抜けた曲でしたが、こういう曲を作るのウマイですねー。今回もきっちりヤラレました。

   ”光+光。
    あの虚無でさえも、包み込むことはない未来。
    埃を払い、自分が持つ世界を、
    まだまだ叫ぶんだ。 
    世界中に想いよ、もっと、
    世界中に願いよ、もっと、
    世界中に朝日よ、もっと降れ。”

こういうフレーズがね、やめさせないんですよ、ボクをナカムラ君のファンから。

また、佐内さんのフォトがいいんですよねー。ここでのフォト、ボクは大好きなのです。

#17 いきるもの

そしてその勢いのまま、この曲へ。ここの流れ、好きです。

中間のミドルテンポな曲の流れを吹き飛ばす、ライブ映えしそうなこの曲。はじけます。

   ”強きもの、弱さを知れるもの。また、
    知れるもの、それは自分だよ。
    目指すもの、涙が枯れぬもの。また、
    してるもの、それが呼吸だもの。”

”ジュビリー”で「息を吸え!」と歌ったナカムラ君が、この曲では「してるもの、それが呼吸だもの」と、より自然体でいけるようになったような。優しい口調は、より強くなったことの表れでしょうか。

#18 K-ing

「私には今夢がある!」と叫び、人種差別主義が無くなることを願ったマーチン・ルーサー・キング・ジュニア。当然それを意識した曲ですね。

   ”もう、どのみち、ひとつだろうが。
    この欠けた星の上、普遍の想いをバラ撒け。”

フォトのアスファルトに置かれた彼の著書。黒い側からの願いは、<白>線に向けられています。

   ”今日の本当は今日も「本当」を刺す。”

明日の夢の為に、今日、たった今、「本当」を歌う。

#19 またあした

目下<私的No.2>の曲。コーラスも美しい、シンプルながらラストに向け壮大に駆けのぼっていくような曲。

   ”見たかったのはこのゴールなんかより、
    これほどの僕らなんだ”

やっぱりナカムラ君、このタイミングでみんなと出会い、このバンドを組んだのは…すごくよかったんだな。はっきりとこんな風に言えるんだから。

#20 バハハイ

こういう曲が入るところが、らしい。
「バッハハ~イ!」と去って行くのでありました。

#21 ハルとフユ

で、きっかり100秒空けて、この曲。なもんで、アルバムの流れからは外れたところにあるんでしょうね。コンセプト”外”っていうカンジ。
それでもここに入れてきたっていうのは…どうしても入れたかったんでしょうね、ナカムラ君が。

<ハル>と<フユ>というのは、ナカムラ君が飼っていたウサギの名前で。死んでしまったそうですねー。オルガンの音色が、寂しげな中にも厳粛な雰囲気を醸し出してます。

葬送曲という意味合いあり、季節に見立てて時が経っていく様を表現したようでもあり、というダブルミーニングって感じでしょうか。

やっぱりウサギさんは、月に帰って行くんでしょうかね。そうなんでしょうね、うん。

           *           *          *

というわけで、全曲追ってみたわけですが。
解釈など全然違っているかもしれません。最近のインタビューとかちょっと見てないんで。でもまぁそれも、ウチならではの解釈の仕方だ、ということで。ご容赦下さい。

で、総括的には、ナカムラ君も「傑作狙いで(笑)、アルバムを作ろうっていうのがあって」と言ってましたが、当ラボの結果としてもホントこれは素晴らしいぞ!と。「ファーストにして、すでにベスト!」という帯に偽り無し!だと。

100sとして活動するようになってからも、ソロ時代の3作の影を追ってしまっていたボクですが、「みんなで一枚の絵を描いてるような感じの作業なんで」という言葉が物語るように、もうナカムラ君はとっくに100sで次のステージに到達してしまっていたのでした。

           *           *          *

おぉ、やっと終った!CANAL CITYさんの見て、「ボクもやろう!」って思い立ったはいいものの…予想以上にヘビーな作業でした。無駄に大作になってしまった…。

あと、気になった点が2点ほど。

①ボクの買ったのには帯が2つ付いてたんですけど、これは全部そうなのか、それともたまたま2つくっついてしまったのか。

②あと、CDケースの白いトコを「かぱっ」と開けると出てくるフォト。これは何を意味しているのやら…。

今回の研究結果は、ロビタ1号のラボの<'05 - album><'05 - song>の方にUPしておきます。
※ただし、”A”、”やさしいライオン”、”HONEYCOME.WARE”、”B.O.K” は昨年既に研究報告済みなので、今回のランキングには入れないこととします。

by robita00 | 2005-01-16 03:03 | ┗ album - '05